こんにちは。株式会社セレンデック代表の楠本です。
最近、企業のAI導入やClaude Code活用を支援する中で、こんな声をよく聞くようになりました。
これは、とても良いことです。これまで開発経験がなかった方でも、AIの力を借りれば、業務ツールや簡単なシステムを作れるようになりました。
ただ、その先を確認すると、少し怖くなることがあります。
プログラムは動いた。
- でも、どこへ公開すればよいか分からない。
- Gitやコミットの意味もよく分からない。
- APIキーやパスワードをどこへ保存すべきかも分からない。
その状態で、AIに言われるまま本番サーバーやGitHubへアップしようとしている方がいます。本人に悪気はありません。
AIも、何も指定しなければ、APIキーをコードの中へ直接書いたり、パスワードを平文で保存したり、重要な設定を安易に変更したりすることがあります。
知識がある人なら途中で止められます。しかし、初めての方には、それが危険な提案なのか、普通の作業なのかを判断できません。
作れるようになったことと、安全に公開・運用できることは別です。
なぜ、この仕組みを作ったのか
私は2014年から、株式会社セレンデックの代表として、Web制作、システム開発、運用支援、業務改善に携わってきました。
官公庁や研究機関、一般企業を含むさまざまな案件で、企画から設計、制作、公開後の運用まで支援しています。
現在は、一般社団法人AIキャリアリスキリング開発機構の代表理事として、企業のAI導入、研修、業務改善にも関わっています。
そうした現場で感じたのは、これから必要なのは「AIで作る方法」だけではなく、AIで作ったものを安全に公開するための最低限の仕組みだということです。
そこで、APIキーなどの秘密情報を含むコミットと、重要設定ファイルへの直接編集を機械的に停止する「AIうっかり漏えいブロッカー」を作りました。
2025年からClaude Codeを本格的に業務へ取り入れ、半年以上、実務で使いながら改善してきた仕組みです。
もし対策をしなければ、何が起こるのか
情報漏えいは、派手な攻撃から始まるとは限りません。
たった一つのAPIキー。
一つの.envファイル。
一度のGitコミット。
それだけでも、事故後には次のような対応が必要になる可能性があります。
- APIキーやパスワードの緊急停止
- 新しいキーの再発行
- Git履歴の調査と削除
- 外部サービスの不正利用確認
- 想定外の利用料金への対応
- 顧客や取引先への説明
- 本番サービスの一時停止
- 社内での原因調査と再発防止
必要なのは、事故が起きた後に詳しい人を探すことではありません。危険な情報が外へ出る前に、最後の関所で止めることです。
2025年、公開GitHubへ2,865万件の秘密情報が追加された
GitGuardianが2026年3月に公表した調査では、公開GitHubのコミットへ新しく追加されたハードコード済み秘密情報が2,865万件に達したと報告されています。
2,865万件
前年比34%増
2025年に公開GitHubのコミットへ新しく追加されたハードコード済み秘密情報
同調査によると、AI関連サービスの認証情報だけでも約127万件が露出し、前年から81%増加しました。さらに、Claude Codeが関与したコミットでは、秘密情報の漏えい率が公開GitHub全体の基準値のおよそ2倍だったと報告されています。
これは「Claude Codeが危険だから使うべきではない」という話ではありません。問題は、作る速度に安全設計が追いついていないことです。
APIキーや.env、重要設定が外へ出るリスク
APIキーや設定ファイルは、普通の変更に見えるため見落とされることがあります。
見えていないだけで、合鍵まで一緒に公開しているかもしれません。
APIキー・アクセストークン
外部サービスを利用するための「合鍵」です。
漏れると、第三者による不正利用、想定外の料金発生、保存データへのアクセスにつながる可能性があります。
.envファイル・秘密設定
APIキー、パスワード、データベース接続情報などを保存するためによく使われます。
ファイルをGitへ入れると、中の秘密情報まで履歴として記録されます。
settings.jsonなどの重要設定
Claude Codeの権限やフックに関わる設定が含まれる場合があります。
安全のための設定をAI自身が書き換えられる状態は避けるべきです。
2025年から本格利用し、半年以上かけて改善してきた
私がClaude Codeを本格的に業務へ取り入れ始めたのは、2025年です。
最初から今回の形が完成していたわけではありません。実際の開発や社内業務で半年以上使いながら、何を止めるべきか、どの操作は通すべきか、エラーをどう表示すれば利用者が迷わないか、Windows環境でどう動かすかを少しずつ見直してきました。
今回販売するものも、思いついて数日で作ったスクリプトではありません。実務で使い、問題を見つけ、修正し、販売前には購入者と同じ新品環境へ入れ直して検証したものです。
それでも、販売前の最終検査では、READMEがpythonでの実行を案内している一方、実装の一部がpython3を指定している食い違いが見つかりました。
半年以上運用していても、別環境で試して初めて見つかる問題があります。この食い違いも販売前に修正し、最終的に全テストの合格を確認しています。
AI商品では「作れたこと」よりも、どれだけ実務で使い、壊し、直してきたかが重要です。
作って終わりではなく、別の視点で壊しにいき、購入者と同じ手順で確認する。
AI時代ほど、この工程が重要です。
AIに「気をつけて」と頼むだけでは、最後の事故は止まりません
私たちも、Claude Codeへ秘密情報をコミットしないこと、重要設定を勝手に変更しないことなどを伝えていました。
しかしプロンプトは、あくまで依頼です。長い作業、別指示との衝突、人の確認漏れが重なる可能性は残ります。
注意する運用と、物理的に止める仕組みの違い
守ってほしいルールを文章で伝えるだけではなく、危険な操作が実行できない仕組みを置きます。
| 比較項目 | 注意・プロンプト中心 | 機械的なブロック |
|---|---|---|
| 仕組み | AIと人がルールを覚えて守る | 危険な操作を実行段階で停止する |
| 弱点 | 長時間作業、指示衝突、確認漏れの影響を受ける | 検出対象外や意図的回避には別の対策が必要 |
| 役割 | 日常的な注意と方針の共有 | 最後の関所として事故を止める |
秘密情報コミットと重要設定編集を止める2つの機能
では、具体的にどこで止めるのか。今回の仕組みには、2つの主要機能があります。
- 秘密情報を含むコミットを止める
Gitへコミットする直前に、APIキー、アクセストークン、秘密鍵などの疑いを検査し、検知した場合はコミット自体を失敗させます。 - 重要設定ファイルへの直接編集を止める
Claude Codeが指定された重要設定ファイルをWriteまたはEditで直接変更しようとした場合に停止します。
GitHubのPush protectionも、秘密情報をリポジトリへ送る前に止める有効な防御です。本商品はそれを置き換えるのではなく、手元のコミット段階とClaude Codeの設定編集にも関所を置く考え方です。
👉 GitHub Push protectionの公式説明はこちら
複雑な対策ではなく、まず5分の防御から
AIうっかり漏えいブロッカーは、次の3ステップで導入します。
- 商品ZIPを解凍する
- READMEに沿って配置・設定する
- 同梱された偽キーで動作を確認する
現在の検証対象はWindows+Git Bashです。
macOS、Linux、WSL2はサポート対象外です。また、Bashコマンド経由の設定書き換えや、--no-verifyによる意図的な回避を完全に防ぐものではありません。
無料ツールがあっても、最後の5メートルで止まる人がいます
秘密情報の検出には無料の優れたツールがあります。GitHubのSecret scanningやPush protectionもその代表例です。
一方、現場では「機能が存在すること」と「利用者が自分の環境へ正しく導入できること」は別です。
- どこに置くのか
- 既存設定を壊さないか
- 本当に止まったか確認できるか
- Claude Codeの重要設定をどう守るか
- 元へ戻す方法があるか
今回の商品は、この最後の5メートルをWindows+Git Bash向けにまとめた入門パックです。
状況に合わせて3つの進め方を用意しています
自分で導入したい方、設定を任せたい方、AI活用そのものを継続的に相談したい方に対応します。
自分で導入する
READMEを見ながら設定できる方向けのDIY版です。
半年以上かけて実務で改善してきた仕組みを、導入実績とサポートデータを集めるため、先着30部は1,980円で提供します。
※価格・提供条件は記事公開時点のものです。
商品ページを公開しました。導入ガイド・設定ファイル一式は下記のBrain商品ページからご入手いただけます。
👉 商品ページはこちら(Brain・先着30部1,980円)
設定や導入を任せる
既存フックの確認、導入、偽キー試験、結果レポートまでセレンデックが対応します。
法人でのキー保存方法、権限、社内ルール、研修、継続運用まで含めた設計のご相談も可能です。
AI活用を継続的に相談したい
今回のようなセキュリティ対策も含め、AIやDXの進め方を「いつでも聞ける」相手が欲しい方には、セレンデックの新サービス「経営DXラボ」をご用意しています。
AI・Web・補助金・採用まで、中小企業の社長のための相談室として、月額15,000円(税別)で継続的に伴走します。
購入特典のご案内
DIY版をご購入の方全員に、経営DXラボの初月月額(15,000円税別)が無料になる特典と、導入で詰まった際のメール質問1回無料の特典をお付けしています。
特典の受け取り方法は、商品ページ内でご案内しています。
まとめ:AIで作れる時代だからこそ、公開前に止まる仕組みを
Claude Codeによって、これまでコードを書かなかった人もシステムや自動化を作れるようになりました。これは大きな機会です。
だからこそ、「危ないから使わない」ではなく、便利に使いながら、失敗が事故にならない関所を置くことが必要です。
必要なのは、注意できる人だけが安全な運用ではありません。誰かがうっかりしても、最後のところで止まる運用です。
よくある質問
導入前によくいただく質問をまとめました。
- Q1. これだけで情報漏洩を完全に防げますか?
A. いいえ。秘密管理、権限制御、コードレビュー、GitHubのSecret scanningやPush protectionなどと組み合わせてください。 - Q2. 過去にコミットしたAPIキーも消せますか?
A. 消せません。キーの無効化・再発行とGit履歴の確認が必要です。 - Q3. パスワードなら何でも検出できますか?
A. すべての文字列をパスワードとして判定するものではありません。特定の特徴を持つ秘密情報の疑いを検査します。 - Q4. GitHubのPush protectionがあれば不要ですか?
A. 役割が一部重なりますが、同じではありません。手元のコミット段階と重要設定編集にも関所を置く多層防御として利用します。 - Q5. macOSやWSL2でも使えますか?
A. 現行版の検証対象はWindows+Git Bashです。 - Q6. 自分で設定できるか不安です。
A. セレンデックによる設定代行をご利用いただけます。
参考資料
記事内の統計や関連機能について、次の資料を参照しています。







「Claude Codeで、少しプログラムが作れました」