BLOG

BLOG


広告分析をAIで内製する──ChatGPT×SLMで“小さな専門家AI”を育てる3ステップ【自社で広告運用シリーズ#2】

こんにちは。2025年8月、暑すぎて脳みそが働かず、北斗の拳のゲイラのような心境(あぁ~めんどくせぇ~)の時こそAIの出番だよね~と思います、株式会社セレンデック代表の楠本です。

広告の月次レポート、ちゃんと届いてますよね?

でも──「見たけど、で、何をすればいいか分からない」

そんな風に感じたこと、ありませんか?(そして考えるの面倒くさいなぁ~とw)

実際、外注の広告レポートをPDFで受け取っている企業は多いですが、

  • 数字だけ見て終わる
  • CVRが落ちてても、原因がピンと来ない
  • 会議で「どうする?」が出てこない
  • 分析して考えるのが面倒くさい(笑)

…となっているケース、意外と多いんです。

そこで今回は、そうした「止まったデータ」を“動くヒント”に変えるために、

ChatGPT×SLM(Small Language Model)という考え方で、AI分析の第一歩をご紹介します。

「PDF読ませて質問すればAIが分析してくれる」──は半分ホント、半分ウソ

最近よく聞くのが、

「ChatGPTにPDFレポートを読ませて、“今月の改善点を教えて”ってやると便利らしいよ」
──たしかに便利です。

ですが、実際にやってみたら、なんだか“当たり前のこと”しか返ってこない

  • 数字をなぞっただけの表面的なコメント
  • 分析というより、単なる要約…

という話をよくききます。

ここでカギになるのが、SLM的な思考設計です。

SLMとは?──大規模じゃなく、“狭く深く考える”小さな専門家AI

一般にAIというと「LLM=大規模言語モデル」の話になりがちですが、

私たちが注目しているのは、あえて情報を絞り込んで訓練するSmall Language Model(SLM)という考え方です。

要するに、

「なんでもかんでも知ってる平均的なAI」ではなく、

「この分野については深く考えられる“小さな専門家AI”」をつくる、という発想。

ChatGPTやClaudeなど、今あるAIでも十分にこの“SLM的活用”は可能です。

そのために必要なのが、2つの情報の“注入”です。

SLM的AIに必要な2つの情報:①“分析者の視点” ②“現場の文脈”

✅ ① 分析する人の脳をAIに読み込ませる

ただ「PDF読んで」と言っても、

AIは“誰として読むか”が決まっていなければ、精度の高い示唆は出せません。

たとえば──

  • 有名な広告分析家の本や解説書
  • セミナーのノートや考え方の要約
  • ケーススタディの比較資料

こうしたものをAIに読み込ませておくことで、

“その人の目線”で、あなたのレポートを分析してもらう

という使い方が可能になります。

これが、SLM的活用の第一のポイントです。

✅ ② 自社の過去・現状・狙いをAIに共有する

AIはあなたの業界も状況も知りません。

  • 今月のKPIや成果目標
  • これまでやってきた施策や広告訴求
  • 現在抱えているボトルネックや課題感

こうした“現場の背景”は、WebにもAIにも載っていない一次情報です。

ですから、これらを丁寧にテキストでまとめて「事前に渡す」ことが大切。

AIに“地図と地形”を持たせてから質問する。

このひと手間が、分析の解像度を変えてくれます。

実践ステップ|小さな分析AIを育てる3ステップ

🧩 Step1|“小さな脳”を作る(専門知識の読み込み)

書籍・講座・ケース分析などを要約してAIに渡す
「あなたは●●氏の視点を持っています」と明示する

🧩 Step2|“現場情報”を注入する

今月の広告レポート
過去の施策・KPI・成果の流れ
「今困っていること」「達成したいこと」も含めて

🧩 Step3|会話しながら仮説を深める

「どこが変化してる?」「なぜ落ちた?」
「何を優先して直すべき?」

このように“問いを重ねていく”ことで、

AIが“答える存在”から、“一緒に考える相棒”に変わっていきます

実例紹介:「今月CVR落ちたのは、検索語とバナーのズレかも?」

実際にあった話です。

ChatGPTにPDF広告レポートを読み込ませ、
「CVRが先月より下がってるんだけど、原因を3つ教えて」と聞いたところ、

「検索クエリと広告文の関連性が下がっている可能性がある」「バナーの訴求軸が直近のターゲットとズレているかも」と指摘

そこから実際に

検索語調整+クリエイティブ微調整をしたら、
次月にはCVRが1.2倍に回復

「いつもの代理店より、“なぜこうなってるか”を論理で教えてくれる」との声も。

まとめ:「問いを考える力」こそ、AIに託すべき知性

分析とは「数字を並べること」ではなく、「問いを立て、仮説を持つこと」

そのためには、“誰の脳で読み解かせるか”“どんな地図を与えるか”が重要

ChatGPTやClaudeでも、SLM的設計をすれば“考えるAI”に育つ

最初は小さくて構いません。

「1つの広告指標」に対して「3つ質問する」だけ。

…そこから、変わり始める現場があるかもしれません。

この気づきが、どなたかの“止まっていた広告データ”に風を吹き込むきっかけになれば嬉しいです。

面倒くさがり屋の方こそ、AI活用は必須ですよ~、AI使って仕事をハックしていきましょう!

次回は、「AIでキャッチコピーを量産する」編をお届けします。

AI Webディレクター養成講座について

  • 個人向け:AI時代の“考える力”を育てる
    『AI Webディレクター養成講座』
    • ChatGPTやGeminiなどを活用した、ゼロから始めるAI仕事術
    • Webの基本技術、ヒアリング・構成・提案・ライティング・AI活用の“ディレクション5技能”を実務に落とし込む
    • Web初心者・未経験者でも、「考える力」と「伝える力」を体系的に学べる講座です。0からAIwebディレクターとして活躍できるまでをサポートします

    👉 AI Webディレクター養成講座はこちら

  • 法人向け:AI導入から内製化までを設計
    『AI・DX戦略構築講座(法人研修プラン)』
    • 現場で「なぜ進まないのか」を構造的に分析
    • 部署別ヒアリングから始める“内製化の第一歩”
    • 最新AIツールの活用例と、現場に定着させる教育設計をワーク形式で支援

    👉 企業研修・ご相談はこちら

よくある質問(FAQ)

  • Q1. AIを導入するメリットは何ですか?
    A. AIを導入することで、データ分析の自動化、業務効率化、新たなビジネス機会の創出など、多岐にわたるメリットがあります。
  • Q2. SLMはどのような企業に向いていますか?
    A. 特定の分野に特化した分析を行いたい、自社のデータをより深く活用したいと考える企業に特に向いています。
  • Q3. 専門知識がないとAIは活用できませんか?
    A. 専門知識がなくても、今回ご紹介したような「SLM的思考」を取り入れれば、AIを効果的に活用し、自社の課題解決に役立てることができます。
  • Q. AIを活用したデータ分析に興味があるのですが、何から始めたらいいか分かりません。
    A. そうですね。まずは、どのようなデータを分析したいか、どのような課題を解決したいか、といった目的を明確にすることが大切です。
  • Q. 例えば、広告レポートの改善点を見つけたいのですが、PDFだと毎回手動で分析するのが大変で…
    A. まさに、この記事でご紹介したSLM的な思考が役立ちます。AIにPDFを読ませるだけでなく、「分析者の視点」と「現場の文脈」を注入することで、より深い示唆を得られるようになりますよ。


一覧に戻る

TO PAGE TOP
TO PAGE TOP

img

close