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広告バナー制作をAIで時短・自社内製化する方法──GPT×Canvaで“成果が出るデザイン”を最速で作る【自社広告運用シリーズ#4】

広告バナーの“作る時間”を3分の1に。

──AIでサクッと作れるデザイン革命【自社運用シリーズ#4】

こんにちは。なんちゃってWebデザイナーを名乗ってノマドワークでキラキラしたい、株式会社セレンデック代表の楠本です。

この記事は、【自社で広告運用シリーズ】の第4弾として、バナー制作をAIで効率化する方法を解説しています。

過去のシリーズもぜひご覧ください:

今回のテーマ:広告バナー制作のAI活用

広告の成果を上げるうえで、意外と軽視されがちな「バナー」。クリック率、訴求力、ブランド印象──どれにも大きく影響する“広告の顔”です。

ですが、実際の現場ではこんな声をよく聞きます:

  • デザイナーに頼むと時間がかかる
  • 自分で作るにも構成が分からない
  • サイズ展開や修正が地味に重たい…

「これ、もうちょっとラクに早く、しかも“ちゃんと”作れないの?」そう感じている方にこそ、AIによるバナー制作の実践法をお伝えしたいと思います。

今回は「見た目の要」──広告バナーの制作を、少人数チームやノンデザイナーでも実現する方法について、

  • GPTでの構成づくり
  • Canva/Adobe Expressなどの自動生成ツール
  • 実務ベースでの改善・検証の回し方

を中心に、実例と一緒にわかりやすく解説していきます。

バナー制作、こんなに“しんどい仕事”だったっけ?

バナー1枚作るにも、意外と脳と手が必要ですよね。

  • コピーを考える → 複数のバリエーションを作る
  • 構成を考える → 「なんかバランス悪いな…」とやり直す
  • サイズを変える → 配置が崩れて全部やり直し
  • サイズ・媒体に合わせて調整する

社内に専属デザイナーがいない中小企業にとっては、この“ちょっとずつしんどい”の積み重ねがボトルネックになりがちです。そして、ここが意外と属人化するポイントでもあります。
ですが、今やAIを活用することでこの課題を解決できる時代が到来しています。バナー制作はもはや面倒な作業ではなく、新しい価値を生み出すためのクリエイティブなプロセスへと進化しているのです。

でも今は、AIで「構成+素材」を一気に整える時代

最近は、以下のようなAI×デザインツールの組み合わせで、非デザイナーでも“伝わるバナー”が社内で作れるようになってきました。

  • GPTで構成を考える → Canvaでビジュアル化

まずはChatGPTに方向性と訴求軸を相談し、「誰に届けたいか」「どんな印象を持たせたいか」「何を避けたいか」を含めて投げかけると、かなり骨格のしっかりした構成案が返ってきます。そして、それをそのままCanvaやAdobe Expressに反映。

  • テンプレ選び
  • 色やフォントの調整
  • サイズ展開やバリエーション

…すべてが“半自動”で進む時代になりました。

※Adobe ExpressはPhotoshopよりカジュアルなWebベースのツール。背景除去やサイズ展開も一瞬でできる今注目のUIです。

AIプロンプト設計が”仕上がり”を変える

ChatGPTに「40代女性向けに安心感のあるバナー構成を教えて」と聞くのは、たしかに便利です。
でもそれだけだと、「え、それっぽいけどどこか既視感ある…」「平均点はあるけど、自社っぽくないな…」という、“ありがち構成”で終わってしまうことも多いです。

大事なのは「伝える情報の粒度と構造」

AIに“あなたの文脈で”構成案を出してもらうには、以下の情報を整理して渡すことが重要です。

  • 【誰に?】ペルソナ(年齢・ライフスタイル・悩み)
  • 【どう感じてほしい?】感情設計(安心感/信頼/憧れなど)
  • 【どんな媒体で使う?】Instagramなのか、LPなのか
  • 【NG表現は?】ブランドトーンに合わない要素を排除
  • 【競合は?】どんな表現が飽和しているか/自社らしさはどこか

この“情報設計”こそがプロンプト設計。AIの出力の精度は、入力の設計次第です。
つまり、AIを使いこなすには、単に指示を出すだけでなく、その指示の質を高めることが不可欠となります。これまでのデザインスキルに加え、情報設計のスキルを磨くことで、AIを最大限に活用し、より効果的なクリエイティブを生み出せるようになります。


AIで作れるバナーは「なんちゃって」?──それでも”十分”な理由

バナー制作は、以前は「プロの領域」だった。
PhotoshopやIllustratorを駆使して、

  • フォント選び
  • 配置設計
  • トンマナ調整

──これらを手作業で仕上げるのが当たり前の時代でした。一人前になるには、センスも技術も、時間も必要。デザイナーという職種は、まさに“スキルの積み重ね”で成り立つ領域でした。

今は、GPT+Canvaで”即戦力”のたたき台が作れる

  • コピーの方向性をGPTで考えさせる
  • レイアウト提案をCanvaに任せる
  • 色合い・比率・視認性も自動補正

→ 結果、3時間かかっていた作業が30分で完了
「え、これで十分伝わるじゃん」という感覚になる人も多いはずです。

「なんちゃって」でも、成果が出ればそれでいい

広告って、”プロっぽさ”より“結果が出るか”が大事です。
本当に100点を求める場面ではプロの力が必要ですが、60〜70点で成果が出る場面なら、AI+テンプレで十分
それに、コストも時間も圧倒的に減ります。

「一生懸命デザインを学んだ人からすれば納得いかない」かもしれませんが、実務では“スピード×仮説検証”が優先されることも多い。これは、デザイン業界の変化ではなく、時代の変化なのだと思います。

そして、今後は「完全プロ仕様のデザイン」だけでなく、「社内でも“回せるデザイン”」の両立が求められていくでしょう。AIを使いこなせるノンデザイナーも、立派な“NEWデザイナー”なんです。

実例パターン:3人チームの通販会社がAIで制作時間1/3に

たとえば、健康食品を取り扱うEC事業者の場合──

  • 専属デザイナーは不在
  • 代表とスタッフ2名が兼務で広告まわりを担っている
  • 毎月5本以上の広告バナーが必要(LPやSNS用)

という状況の中、従来の制作フローでは:
「構成を考える → コピーを複数出す → サイズ展開する → 修正が入る」
で、1本あたり3〜4時間ほどかかっていたといいます。

それが以下のように変わりました:

  • ChatGPTで構成案+コピーを一緒に作成(15分)
  • Canvaでテンプレート選定 → 3サイズに展開(20分)
  • 自社のブランドカラー・フォントを設定(15分)
  • チーム内で確認→微修正(10分)

→ 実質、1時間以内で1セットの広告バナーが完成

しかも、「CTRが過去最高を記録した」といった声もあるようです。最大のポイントは、「作って終わり」だった制作が、「試して → 結果を見て → また作る」というPDCA型のサイクルに変わったことだと言います。

このように、手作業にかかる時間を減らし、その分を改善のための分析や戦略立案に充てることが可能になるのです。AIは単なるツールではなく、ビジネスのあり方を変えるパートナーとなり得ます。

AIバナー制作の導入ステップ(中小企業向け)

では、実際に”AIを使って社内で回す”には、何から始めればいいのか?中小企業や少人数チームでも実践しやすいよう、以下の3ステップで整理します。

Step1:参考バナーを集めて”いい・悪い”をAIに聞く

  • 業界内外から10〜20枚ほどバナー広告を集めて、スワイプファイルを作成
  • ChatGPTに以下のように聞く:
    「このバナー群の中で、構成として良いもの・悪いものを分けて理由を教えて。どんな印象を与え、何を訴求しているかの違いを解説して。」

→ AIが「フォントの視認性」「画像とコピーの訴求ズレ」などを論点に分類してくれる。
→ デザインに苦手意識がある人でも、判断の軸が可視化される。

Step2:GPTに「構成+要素分解」を依頼する

たとえば、以下のようなプロンプトを使って構成を出してもらいます:

あなたは広告バナーのプロです。以下の条件に基づいて、構成案を出してください。
必要な要素(キャッチコピー、サブコピー、画像の種類、レイアウト配置、色の方向性)も添えてください。

【商材】無添加・国産の冷凍スープ  
【ターゲット】40代女性/共働き/子育て中  
【目的】「時短ではなく、ちゃんと感」を伝えたい  
【媒体】Instagramストーリーズ広告  
【NG表現】「手抜き」「時短」「簡単」などの軽さを感じさせる言葉

→ ChatGPTはこの情報をもとに、キャッチコピーだけでなく「全体の視線誘導」や「色の意味づけ」まで含めた設計案を出してくれます。

Step3:CanvaやAdobe Expressでビジュアル生成

構成が決まったら、テンプレートベースで一気にビジュアル化。

  • Canvaで目的に合ったテンプレートを検索
  • 色とフォントを自社のトンマナに沿って修正
  • 3サイズ展開(正方形・横長・縦長)でパターン展開
  • チーム内で「どれが響くか」をディスカッション

このときも、GPTに「A案とB案、どちらがよりターゲットに響くか?」と聞くと、第三者視点でフィードバックが得られます。


まとめ:構成から仕上げまで、”狙って作る”ができる時代に

かつてのバナー制作は、「デザインスキルがある人だけの領域」でした。でも今は、

  • 構成=GPTに任せる
  • 制作=Canva/Adobeで形にする
  • 改善=数値を見てまた回す

この流れが、”社内で、誰でも、すぐに”実現できるようになっています。

バナー制作も、今や「手作業」から「思考設計×AI出力」へと進化しています。

  • 「とりあえず作ってみた」から卒業する
  • 「構成→生成→判断」の流れを標準にする
  • スピードと仮説検証力で、少人数チームでも成果が出せる

よくある質問(FAQ)

  • Q1. Web初心者でもAIバナー制作はできますか?
    A. はい、もちろんです。AIツールやCanvaなどのデザインツールは直感的で使いやすく設計されています。専門的な知識がなくても、プロンプト設計のコツを覚えれば効果的なバナーを作成できます。
  • Q2. AIで作ったバナーの著作権はどうなりますか?
    A. 一般的に、AIツールで生成したコンテンツは利用者に帰属しますが、各ツールの利用規約を必ず確認してください。商用利用の際は特に注意が必要です。
  • Q3. プロのデザイナーに依頼するのとどちらがいいですか?
    A. 用途によって使い分けることをお勧めします。日常的なSNS投稿やテスト用バナーはAIで効率化し、重要なキャンペーンやブランディング素材はプロに依頼するという使い分けが効果的です。
  • Q4. どのくらいの費用削減効果がありますか?
    A. 制作時間が1/3になることで、人件費の大幅削減が期待できます。また、外注費用も削減できるため、月間10万円以上の広告制作費がかかっている企業では特に効果を実感しやすいでしょう。

🎯 最後に:作業じゃなく、設計と改善に時間を使おう

「バナーを作るのがしんどい」
「でも、成果は出したい」
そう感じている方にこそ、まずは1枚、AIで作ってみてください。それが、”なんとなく作る”から”狙って作る”への最初の一歩になります。


【関連記事】シリーズで学ぶAI広告運用の全体像

バナー制作と合わせて読むことで、より効果的なAI活用が可能になります:

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今回の気づきが、「まず1枚バナーを自分で作ってみる」きっかけになれば嬉しいです。

生成AI時代、使える技術はドンドン活用して仕事を効率化していきましょう! 一緒にAI活用していきましょう。



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