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AIで変わるプロジェクト設計──ボトムアップもトップダウンも超える「構造マネジメント」のすすめ

【AI活用×プロジェクト設計】「どっちが正解?」の呪いから抜け出した話

こんにちは。ジョン・ラームのような低いトップに憧れている(ゴルフの話です、すみません)、セレンデックの楠本です。

「うちはトップダウンすぎる」

「いやいや、現場が動かないのは、ボトムアップが足りないからだ」
──こんな会話、マネジメントに関わっている方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

僕自身、以前はこの「どっちが正しいのか問題」にどっぷりハマっていました。

正反対のアプローチ、どちらも機能しない現実

たとえば、ある中堅製造業のブランドサイトリニューアル案件では、現場主導で進めようと、各部署にヒアリングしながら進行。

ところが、最終的に「誰が意思決定するのか?」が曖昧なまま時間だけが経過し、全体像がまとまらなくなってしまいました。

逆に、別案件で私がトップダウンで引っ張ったところ、「結局、上が決めるなら聞かれなくてもよかったのでは?」という、現場の熱量低下を招いてしまった。

正反対の進め方をしても、どちらもいまいち機能しない──このとき僕は、「どっちが正しいか」を探すのをやめようと決めました。

「握る/任せる」を設計する──プロジェクト構造の最適化

そこで試したのが、“ミックス型”の構造設計アプローチです。

プロジェクトごとに「どこまで握るか」「どこを任せるか」を明文化・構造化しておくという方法。

たとえば、最近担当した医療機器メーカーの製品紹介サイトでは、以下のように切り分けました:

  • 製品コンセプト・メッセージ設計 → トップ(経営層)主導。事業方針に直結するため。
  • 使用シーンや導入事例の構成案 → 現場の営業・技術チーム主導。リアルな声を活かす。
  • デザイントーン → トップが方向性を定め、詳細設計は制作チームが主導。
  • 更新・運用方法の仕組み → 現場担当が自由に動けるようCMS設計で柔軟に。

こうしてあらかじめ「誰が何を決めるのか」が整理されていることで、全体の進行もスムーズ。

しかも、現場の納得感が高まり、リリース後の運用まで非常にポジティブに回りました。

AIは“協働する構造設計パートナー”──実務×AIの活用法

この「構造設計」を支える存在として、AIは非常に頼れるパートナーになります。

具体的な活用方法は以下の通りです:

1. 意思決定ポイントの洗い出し

ChatGPTなどに「このプロジェクトでの意思決定項目を整理して」と頼むと、以下のような重要要素を即座に抽出してくれます:

  • ブランド設計
  • ターゲット定義
  • 表現方針
  • 更新運用フロー
  • KPI設計

これにより、見落としや重複を防げるだけでなく、「任せるべき範囲/握るべき範囲」の共通認識が生まれます。

2. 過去事例との比較分析(データベース設計)

AIに過去案件の要素・成果データを入力すると、「このタイプの案件では、営業主導のコンテンツ設計が成果につながっている」など、構造的な傾向を見出せます。

これは、経験知のナレッジ化として非常に強力です。

3. 会議・ヒアリングの要約と構造化

議事録やメモをAIに要約・分類させると、「誰が何に不安を感じているか」「どの部分で調整が必要か」が可視化され、プロジェクトマネジメントの精度が大きく向上します。

4. ドキュメント・進行設計への反映

構造設計をそのまま提案書・スケジュール・タスクシートに反映させることも可能。

手戻りやヌケモレを未然に防げます。

「正解」ではなく、「構造」を設計する

僕が辿り着いたのは、「正しい方法を選ぶ」よりも「状況に応じて設計する」ことの大切さ。

AIはその設計作業を一緒に担ってくれる、冷静で公平な構造設計パートナーだと感じています。

「うちはこうしてうまくいってるよ!」というご経験があれば、ぜひ聞かせてください。

“どこまで握るか、どこを任せるか”──

この問いが、あなたのチームやプロジェクトを前進させるヒントになれば嬉しいです。

ご希望があれば、「握る/任せる構造設計チェックリスト」や「AI活用テンプレート」もご提供可能です。お気軽にお声がけください!

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「じゃあ、どうやってその力を身につけるのか?」

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そうした問いにお応えする形で、AIを実務で活用するための2つの講座を運営しています。

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よくある質問(FAQ)

  • Q1. トップダウンとボトムアップ、どう切り分ければいい?
    A. プロジェクトの目的や影響範囲によって分けるのが基本です。経営判断に関わる領域はトップが握り、現場の知見や創意工夫が活きる領域は任せる設計にすると機能しやすくなります。
  • Q2. AIはどこまで任せていい?判断が難しい…
    A. 情報整理・要約・構造化などの支援はAIに任せてOKです。一方で、最終判断や人間関係に絡む意思決定は人が担うのが基本。分担の設計が成果を左右します。

「正解を出す」のではなく、「共に設計する」──

そんなパートナーをお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。

株式会社セレンデック 楠本



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