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生成AI時代のWebディレクターは何が違う? Web制作現場のリアルとディレクターの新たな価値

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こんにちは。

AIと人間の違いとして、「AIは眠くなることがない、そして感情的になることがない」でも人間には感情がありそれが超重要、と深夜に記事作成をしながらしみじみと感じている、株式会社セレンデック代表の楠本です。

最近、あるクライアントとの打ち合わせで、ふとこんな質問が出ました。

「Webディレクターって、生成AI時代にも必要なんですか?」

…正直、ドキッとしました(笑)。

でも、これ、かなり本質的な問いなんですよね。

なぜなら、今のWeb制作現場って、“人がやる理由”が曖昧になってきているからです。

生成AIが「構成」「デザイン案」「キャッチコピー」まで出してくれる。だからこそ、ディレクターがただの“指示出し役”や“タスク管理者”であるなら、たしかに「AIで代替できるかも」と思われても不思議じゃありません。

でも、僕自身この1年、生成AIと向き合いながら、現場で「本当に変わったな」と感じていることがあります。

それは──

ディレクターの価値が“見えにくく”なったけれど、“重要性”はむしろ増しているという事実。

今回はそんな「制作フローの裏側」で起きている変化と、これからのWebディレクター像について、リアルな視点で掘り下げてみたいと思います。

気づけば変わっていた「ディレクターの日常業務」

生成AI導入前の制作フローと役割分担とは?

以前のWeb制作では、ディレクターがワイヤーフレームを描き、デザイナーがビジュアルを作り、エンジニアがコーディングする…という分業が基本でした。

とにかくタスクが多く、スプレッドシートやチャットでの調整に追われ、“手が足りないから忙しい”状態が常態化していた。

僕自身、「スケジュールを間に合わせること」ばかりが頭にあって、戦略や本質的な価値を考える余裕なんて正直なかったです。

でも、そんな中に生成AIが入ってきた。

  • 構成案はChatGPTに聞けば一瞬、
  • FigmaにはAIアシスト、
  • 画像生成もできる。

「これはラクになるぞ」と思ったのですが…

生成AIが入って「一部自動化」された瞬間

たしかに、初稿や構成の“たたき”は早くなりました。

でも、逆に「この出力、使えるの?」「どこから人が見る?」という“判断の壁”が新たに現れたんですよね。

AIが出してくれた案を“そのまま通す”わけにはいかない。

逆に、人間が介在する意味──“取捨選択と編集の力”がより求められるようになった。

つまり、「ラクになる」どころか、「求められる思考の質」はむしろ上がったんです。

「AIに任せればOK」じゃなかった?──ズレる期待と現実

実際の制作現場で起きた混乱とは

ある案件で、構成出しをとある新人スタッフと一緒にやってみたんです。

ChatGPTに指示を入れて構成案を出したところ、彼女はこう言いました。

スタッフ

「え、これでOKじゃないんですか?」

…悪くない。でも、顧客のトーンや目的、競合との違いまでは加味されていない。

つまり、「正解っぽいもの」は出せるけど、「その企業にフィットした答え」は出せないんですよね。

ここで止まってしまう若手が増えているのは、「AIの出力が“正解”と思ってしまう」から。

そのままコピペしても、フィードバックで戻される。

結果、「AIがあればいいんじゃ?」という誤解が生まれてしまう。

必要になったのは“設計力”と“判断軸”

じゃあ、何が必要なのか?

それは、AIの出力を「文脈に合わせて翻訳・調整する力」です。

どこまでがAIに任せられるか?

どこからが“人”が見るべきポイントか?

この“判断の設計”がないまま進めると、制作がブレるし、関係者も混乱する。

つまり、「AIが出した案を、どう扱うか」を設計する人間の力=ディレクターの新しい役割なんです。

生成AIと組んで「強くなった人」の共通点

問いを立てられる人は、AIを“部下”にできる

あるベテランの女性ディレクターは、AIに指示を出すときに「この商品の“違和感ポイント”から提案して」と言ってました。

──視点が鋭い。

彼女は「正解を求める」のではなく、「問いの深さ」を重視している。

だから、AIからの出力も“考える素材”として扱える。

AIは“質問の質”で答えの質が変わる。

これは、「問いを設計できる人=AIを使いこなせる人」という意味でもある。

逆に、迷い続ける人の特徴とは?

一方で、ずっと悩み続けてしまう人もいます。

それは「どれが正解?」とAIに“委ねて”しまうタイプ。

AIの出力に依存しすぎると、かえって判断に迷いが出て、動けなくなる。

つまり、AIは便利だけど、使い方を決めるのは人間。そこを担うのがディレクターの本質です。

「自分にできるのか?」と思った方へ伝えたいこと

ビジネス経験や子育て経験は、ディレクションの強みになる

最近、主婦の方や異業種からの転職希望者と話す機会が増えました。

中には「コードもデザインもできませんけど…」と不安そうな方もいます。

でも、調整力・傾聴力・タスク管理…これって、ディレクションに不可欠なスキルなんですよね。

むしろ、「技術に詳しくないからこそ、ユーザー視点で見られる」という強みもある。

プログラミングやデザインができなくても、“人とAIをつなぐハブ役”としてのディレクターというキャリアは、今まさに可能性が広がっています。

「AI時代のディレクター=人間らしさの通訳者」

生成AIが進化すればするほど、最後に必要なのは“人の感性”。

たとえば、

  • 顧客のちょっとした表情の変化
  • 社内メンバーの疲れ具合
  • 曖昧なフィードバックのニュアンス

こういう“ノイズ”を拾って翻訳し、形にするのは、AIでは難しい。

だから、僕はこう思っています。

「AI時代のWebディレクターは、“人間らしさの通訳者”である」

これは、技術職ではなく“感性と知性の職業”なのかもしれません。

まとめ──「AI×人間」の時代、選ぶのはあなた

生成AIによって、Web制作の現場は大きく変わりました。

たしかに、従来型のディレクター像は“過去のもの”になるかもしれません。

でも、その先にあるのは、

人にしかできないこと」の価値が増す時代だということ。

そして、それは必ずしも“高度な技術者”でなくてもいい。

  • ビジネス経験者
  • 子育て中の主婦
  • デザインスクール卒業生

…どんな背景の人でも、「AIを使って何をしたいか」があれば、ディレクションは目指せます。

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それでは、また次回の記事でお会いしましょう。AIを活用して仕事するのは楽しいですね。



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