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【効率化の落とし穴】AI時代の働き方と発想力を高めるセレンディピティの重要性

efficiency-and-serendipity

偶然の出会いが生む発想力──パパ活カフェで気づいた『効率化の落とし穴』

六本木・椿屋珈琲で出会った”偶然の学び”

こんにちは。聞き耳ダンボ、株式会社セレンデック代表の楠本です。

これは2024年、ある日の六本木での出来事です。予定の合間、少し空き時間ができた私は椿屋珈琲に立ち寄り、パソコンを開いて仕事をしていました。ふと気づくと、周囲に若い女性と“おじさま系”の男性──いわゆる“イケオジ系”な方々の姿がちらほら…。聞き耳を立てていたわけではありませんが(笑)、どうやら初対面のような会話が聞こえてきて──。

「これは、もしかして…噂のパパ活?」

試しに検索してみると、新宿の椿屋はマッチングアプリ利用者の定番スポットのようで。六本木でも同様の使われ方をしていると知って、なるほどなあと納得しました。

一見、関係ない場面のように見えますが──実はここに、大きな気づきがあったのです。

よく考えてみれば、私は普段ほとんど決まったエリア、決まったメンバー、決まった空気の中で仕事をしています。でも、このカフェで偶然耳に入ってきた世界──それは、普段接しない価値観や文脈の“におい”でした。

この感覚、しばらく忘れていたな…と。

そこから、「効率化を突き詰めすぎて、何かを見落としていないか?」という思考が始まったのです。

“効率化の罠”にハマっていませんか?

私は、効率重視の働き方を好むタイプです。自宅とオフィスは徒歩圏、ジムもご近所。通勤時間は徒歩4分、すぐに仕事に取り掛かれる環境を整えてきました。おかげで短期的な生産性は高まります。

しかし──気づけば、生活圏は半径1キロ以内。オフィス、ジム、ランチ、全部“徒歩3分以内”で完結する。

Googleのロケーション履歴を見ると、活動範囲が恐ろしく狭い。ジムはオフィスの上階、ドアtoドア10秒(笑)。

…でも、ふと疑問が湧いたんです。

「この効率性、本当に長期的な意味で“正解”なんだろうか?」

行動半径が狭いと、セレンディピティは起きない

セレンデックの社名の由来は、“セレンディピティ(偶発的な発見)×テクノロジー”。でも、その肝心のセレンディピティが、日々のルーティンの中では起きない。

いつも同じ道、同じ顔ぶれ、同じ景色。

それって、アイデアの“栄養不足”なんですよね。

私が好きな高城剛さんも、「アイデアは移動距離に比例する」と語っています。

さらに言えば、フランスの哲学者ジャック・デリダも同様に「思考は身体性とともに移動する」といった趣旨のことを述べています。つまり、“動く”ことでしか得られない知性があるということ。

物理的に動けば、自然と新しい刺激や出会いが増える。その結果、思考が広がるんです。

これを私は「思考のストレッチ」と呼んでいます。

カフェでの仕事が“発想力”の源になる理由

パパ活の話をしておいて何ですが(笑)、実はカフェって、発想の源泉なんですよね。

見知らぬ人の会話、異なる業界の空気感、ふとした雑音。

それらが、思いもよらぬヒントをくれる──

最近では、日常的に意図的に行動範囲を広げるようにしています。

  • 普段使わない路線に乗る
  • これまで行ったことのないカフェに行く
  • 異業種イベントに顔を出してみる

など、意識して“偶然性”を取り込むようにしています。

「短期効率」と「長期効率」は別物

これは、経営にも通じる話です。

リモートワークの普及で、確かに業務は効率化されました。セレンデックも、基本リモート。必要があれば出社、という形で運営しています。

でも、それが行き過ぎると──

  • 雑談が生まれない
  • 相手の機微が読み取れない
  • チームの温度感が下がる

など、“無駄”に見えるものが抜け落ちる。

だからこそ、2025年からは月1で出社日を設けたり、仕事後に食事をしたりと「余白のある関係性」を意図的に作るようにしています。

短期効率を突き詰めるほど、長期での“非効率”が生まれる。これは間違いない実感です。

“異業種の知恵”は最大の武器になる

マーケティングでは「異業種からの転用」が常套手段です。他の業界では当たり前でも、自社では斬新。

例えば──

  • 飲食業界の回転率の考え方をITサービスに応用する
  • 美容業界の接客設計を、BtoBサービスの体験向上に活かす

など。

でも、こうした視点は、日常がルーティン化していると得られません。

自分と違う価値観、違う業界、違う年齢層──とにかく“触れ幅”が大きい人や環境と交わること。

これが、発想の宝庫になるのです。

AI時代に問われるのは「意思」

AIは、やり方を教えてくれる存在になりました。

「何をすればいいか」は、AIが最適解を導き出してくれる。

でも──「どうしたいか」は、AIには決められません。

つまり、「現状をどう捉え、どこに向かいたいのか?」という“意思”は、人間にしか持てないんです。

だからこそ、日常から情報を取り込み、自分の思考を広げ、解像度の高い意思を持つ。

そのために必要なのが、移動、出会い、偶然性──つまり、セレンディピティの設計です。

セレンディピティを増やすために、私がしていること

  • 週1回は普段と違うカフェやエリアで仕事をする
  • 月1回はリアルでチームと顔を合わせる
  • 異業種の勉強会やイベントに参加する
  • オンラインだけでなく“アナログな場”も意識的に取り入れる

…どれも、大したことではありません。

でも、こうした小さな“脱ルーティン”が、結果的に未来を変えていくのです。

まとめ:広げて、集めて、集中する──その繰り返し

マーケティングも経営も、発想力が問われる仕事は──

  • 「まず、広く情報を集める」
  • 「方向性が決まったら、一気に集中する」
  • 「また行き詰まったら、広げる」

このリズムが大事なのではないでしょうか。

セレンデックも、今後さらにこの循環を加速させていく予定です。

そしてその始まりは、六本木の椿屋珈琲で聞こえてきた、偶然の会話──

気づき”って、いつも静かに訪れるものです。

よくある質問(FAQ)

  • Q1. カフェでの仕事って集中できるんですか?
    A. はい。雑音が逆に“適度な集中”を生むこともあります。特に作業系や思考整理には向いています。
  • Q2. 効率化を重視すると、なぜセレンディピティが減るのですか?
    A. 行動範囲が狭まり、人との偶発的な出会いや新しい刺激が得られにくくなるためです。
  • Q3. 会社として“偶然性”を設計するには?
    A. オンライン一辺倒ではなく、リアルの接点を設ける/異業種イベントへの参加などが有効です。
  • Q4. 自分が意思を持てていない気がするのですが?
    A. まずは色んな情報・出会い・場所に触れてください。行動が視野と解像度を広げ、“意思”の種になります。
  • Q5. 効率化とセレンディピティ、どちらを優先すべき?
    A. 短期では効率化、長期ではセレンディピティ。両方を使い分けるのがベストです。

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