💡ChatGPTが“勝手に省略される”原因と対策まとめ【2025年7月最新版】
〜AIの誤作動ではなく、仕様です。その違和感、設計で解決できます〜
【導入】ChatGPTが“勝手に途中で止まる・省略する”…その違和感の正体とは?
こんにちは。わざとではないんです、仕様なんです。そう思うと人に対しての怒りもかなり減ります。(笑)株式会社セレンデック代表の楠本です。
最近、ChatGPTをプロジェクト支援ツールとして本格的に導入する企業も増えてきました。私自身、ボリュームのある企画やコンテンツ、リサーチ構成、業務マニュアルの自動生成など、業務効率化の武器としてフル活用しています。
…でも、こう感じたことはありませんか?
- 「あれ?ChatGPTの出力が途中で止まった…」
- 「ちゃんと書いてって言ったのに、なぜか要約されてる」
- 「前に言った指示、まるっと忘れてる気がする」
- 「ん、これが噂のハルシネーション(簡単に言うと嘘)」
──まるで“サボってる”ように見える現象ですが、これはAIの気まぐれではなく、ChatGPTの仕様と設計に起因するものなんです。
【課題提起】ChatGPTが省略・中断・指示を忘れる3大理由とは?
① トークン上限による「指示忘れ」
ChatGPTにはトークン制限(=一度に処理できる情報量)があります。
この制限を超えると、古い指示やコンテキストが“押し出されて”しまい、AIが過去の前提を忘れる現象が発生します。
🔎 *トークンとは?*
自然言語を分解した単位で、1トークン=英単語1個または日本語の2〜3文字程度。ChatGPTは8,000〜32,000トークン程度まで処理可能です。
② 自動的な出力カット(最大文字数制限)
ChatGPTは、長い文章を一度に出力できません。
ある程度の長さに達すると、無言で出力を打ち切る仕様になっています。
これが「途中で止まった」「続きが出ない」ように感じる原因です。
③ 「要約していい」と誤認させている
過去に「要約して」「ポイントだけで」と伝えていた場合、ChatGPTはその方針を優先し続ける傾向があります。
これは“親切心の誤作動”。だからこそ、「省略しないで」と毎回明示することが重要です。
【実践対策】ChatGPTの“省略癖”を防ぐプロンプト設計のコツ
✅ 対策1:最初に“省略NG”と明記する
必ず以下のような冒頭宣言を入れると効果的です。
※この内容は絶対に省略せず、すべてマークダウン形式で出力してください。 長くなる場合は自動で分割して出力し、続きを「続けてください」で呼び出せるようにしてください。 また、これまでの指示は忘れないように保持し、勝手に省略や要約をしないでください。
✅ 対策2:「指示保持」の明示で“忘却”を回避
この指示内容はチャットが続く限り保持してください。忘れないようにお願いします。
✅ 対策3:途中停止は“仕様”として受け止める
出力が止まっても驚かずに──
続けてください
✅ 対策4:「中間まとめ」でコンテキストを整理・維持
✅ 現在の指示まとめ 出力形式:マークダウン 出力方針:省略しない/要約しない/分割可 目的:リサーチ構成の明文化とAI出力の品質向上
💬 やり取り中のコマンド・合図(おすすめ)
ChatGPTとのやり取り中に役立つコマンドと合図の一覧です。
合図 | 意味・使い方 |
---|---|
まとめて | 直前までのやりとりをマークダウンで整理して |
再掲して | 重要な前提やプロンプトを再度明記して |
新チャット引き継ぎ用にして | 全体を一括でマークダウン化・リフレッシュ |
省略しないで | 繰り返し使うとAIが省略をやめてくれる |
続けてください | 出力が止まった際の合図。これで続きを出せる |
【気づき】AIに主導権を渡さず、“使い手”が設計者になる時代
正直、私も昔はChatGPTに全任せしてました。「どうせ頭いいんでしょ?」と思って(笑)
でも、そこで気づいたんです。
“任せすぎる”と、かえって品質が落ちる
AIはあくまで“実行者”。設計・指示・評価を担うのは人間側の役割です。
【まとめ】ChatGPTを“長期的に正しく使い倒す”ための設計5ヶ条
課題 | 原因 | 解決策(プロンプト) |
---|---|---|
指示が省略される | 出力制限・誤認 | 「省略せずに全出力」と宣言する |
コンテキストを忘れる | トークン上限 | 「この指示を保持」と繰り返す |
途中で止まる | 最大出力量 | 「続けてください」で再開 |
内容が雑になる | 設計不足 | 中間まとめで文脈再整理 |
精度が落ちる | 放任運用 | 人間が設計と評価を担う |
セレンデックではAIウェブディレクター育成講座を開催しています。ご興味ある方は是非ご参加ください。体験会、説明会も実施しています。
- 個人向け:AI時代の“考える力”を育てる
『AI Webディレクター養成講座』- ChatGPTやGeminiなどを活用した、ゼロから始めるAI仕事術
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『AI・DX戦略構築講座(法人研修プラン)』- 現場で「なぜ進まないのか」を構造的に分析
- 部署別ヒアリングから始める“内製化の第一歩”
- 最新AIツールの活用例と、現場に定着させる教育設計をワーク形式で支援
上記の講座は、AIを単なるツールとしてではなく、ビジネスを加速させるための戦略的なパートナーとして活用するための知識とスキルを提供します。受講者の皆様が、AI時代をリードする「設計者」として活躍できるよう、実践的なカリキュラムと手厚いサポート体制を整えています。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ詳細ページをご覧ください。
🎁 プロンプトテンプレ【そのまま使える】
※この内容は絶対に省略せず、すべてマークダウン形式で出力してください。 長くなる場合は自動で分割して出力し、続きを「続けてください」で呼び出せるようにしてください。 また、これまでの指示は忘れないように保持し、勝手に省略や要約をしないでください。
長期プロジェクトでは、以下のような中間まとめを定期的に挟むとベストです。
🔁 長期プロジェクト用「中間まとめ」テンプレ
# ✅ 現在の指示まとめ(v1.0) ## 🎯 目的・テーマ - 例:AI講座の第4章を6000字以上で生成し、マークダウン形式で整える ## 🗂 現在の進行状況 - セクション1:完了 ✅ - セクション2:作成中 🔄 - セクション3:未着手 ⏳ ## 🧠 出力ルール - 省略せず全出力(分割可) - マークダウン形式で出力 - CTAは講座リンクを必ず設置 - 表やリストは「文章→箇条書き→補足」の構成で ## 🔁 合図用コマンド - まとめて - 続けてください - 省略しないで - 新チャット引き継ぎ用にして
💡 補足アドバイス
- 途中から忘れさせないために、プロジェクト名や目的をときどき再掲すると安定します。
- ChatGPTの「モデルの切り替え」や「再読込」は記憶を飛ばす可能性があるため注意。
- 必要があれば「再現性の高いプロンプトテンプレート」も別途作成可能です。
よくある質問(FAQ)
- Q1. ChatGPTの出力が途中で止まるのはなぜですか?
A. ChatGPTには一度に処理できる情報量(トークン制限)があり、この制限を超えると出力が途中で打ち切られることがあります。また、過去の指示を忘れてしまうことも原因の一つです。 - Q2. 指示を忘れないようにするにはどうすればいいですか?
A. プロンプトの最初に「この指示内容はチャットが続く限り保持してください」と明記することで、AIが指示を忘れにくくなります。また、定期的に「中間まとめ」でコンテキストを整理するのも有効です。 - Q3. 長い文章を生成したい場合、どうすればいいですか?
A. プロンプtに「長くなる場合は自動で分割して出力し、続きを『続けてください』で呼び出せるようにしてください」と指示することで、AIが途中で停止しても続きを生成させることができます。
上記以外にもご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。お客様のAI活用を全力でサポートいたします。
💬 さいごに:「AIに振り回されない設計力」こそ、これからのビジネス教養
AIを使うのではなく、「設計する」感覚。
この一歩を意識するだけで、ChatGPTのパフォーマンスは大きく変わります。
この気づきが、あなたのAI活用・業務設計の一助になれば嬉しいです。それではまた、別の記事でお会いしましょう──。