こんにちは。気持ちは若いままのつもりでいますが、若いころは楽々と出来たことが出来なくなり、年齢を感じる今日この頃、株式会社セレンデック代表の楠本です。
最近、業務の中で強く感じることがあります。ひと昔前までは「これさえできれば仕事として成り立つ」と言われたスキルが、今では数クリックのツールで完結してしまう──そんな場面が一気に増えてきました。
たとえば、以下のようなものです:
- 動画編集におけるテロップの文字起こし
- セミナーや会議の議事録作成
- バナーやイラストの生成
- 簡易な動画編集
かつて専門職が時間をかけて担っていた領域が、AIツールによって“数分”で終わるようになった。このスピード感、肌で感じている方も多いのではないでしょうか?
AI時代でスキルの賞味期限が短くなる理由
Flash技術の衰退事例
ひとことで言えば、スキルのライフサイクルが劇的に短くなっているということです。スキルの陳腐化が早いといことですね。難しく言えばコモディティ化が早い。(かっこよくカタカナ使ってみました)
たとえば、かつて一世を風靡した「Flashデザイン」。これはまさに、技術そのものが完全に不要になってしまった代表例です。今でこそ「懐かしい技術」ですが、当時はFlashが大いにもてはやされていて、Flashデザイナーという職種があったほど。
Web系のスクールでは「まずはFlashを学ぼう」という流れも普通に存在していました。
ところが、Adobe自体がFlashの開発を終了したことに加え、Apple社がiPhoneなどのモバイル端末でFlashをサポートしない方針を打ち出し、さらに主要ブラウザも対応を打ち切ったことで、“完全になくなったスキル”になったわけです。
HTML/CSSの現状
一方で、HTML や CSS といった基礎的な言語は、依然として重要な場面はあるものの、「それ単体で食べていくのは難しい」時代に入っています。
ノーコードツールの普及や、テンプレート構築の高度化により、「知らなくても実装できる」状況が現実になってきています。
もちろん、Webの構造理解やカスタマイズにおいて、HTML/CSSを知っていることの価値は今も高い。ただし、それを学ぶ「順番」や「目的」を間違えると、労力に見合わない学びになってしまう可能性もある。
要は、「そのスキルが今も“武器として有効”かどうか」を、常に見直す必要があるということです。
ノウハウ追求で迷子になる原因と対策
「今話題のツールを触っておいた方がいい」「これを学べば生き残れるらしい」──そういった空気に流されて、情報を追い続けた経験のある方も少なくないのではないでしょうか。
でも気づいてみると、それはまたすぐに別の新技術に置き換わっていて、成果につながるどころか“振り回されて終わる”というケースも多いはずです。
それで得られるのは、知識ではなく“焦り”でした。
つまり、必要なのは「学び続けること」そのものではなく、「学び直しを習慣化する構え」なんです。
AIに代替されない思考力の育て方
技術が陳腐化していく時代において、人間にしかできないことがあります。
それは、以下のような“抽象的な思考力”です:
- 目的に応じたツールの選定と設計
- 相手に合わせた価値の翻訳
- 状況に応じた問いの立て直し
たとえば、UIデザインで言えば「どの色を選ぶか?」はAIでも提案できます。でも「このプロダクトが誰にどう見られるべきか?」という文脈設計は、まだまだ人間の仕事です。
学び直しを習慣化する具体的方法
私は「週に1度の思考整理タイム」を必ず取っています。業界動向を眺めたり、自分のアウトプットを客観視する時間です。
また、情報に触れる際は必ず「フィルタ」を意識しています。
- これは誰が言っているのか?
- 自社にとって再現性があるか?
- 明日、何に活かせるか?
こうした“情報を選ぶ力”そのものが、今やスキルになりつつあると感じます。
若手が有利な理由と経験格差の活用法
「経験がないから不利」と感じる若手も多いかもしれません。でも、スキルの賞味期限が短くなっている今、若手だからこそ“適応前提”で動けるという強みがあります。
長年の習慣や過去の成功体験に縛られていない分、新しい技術に対して素直に取り組める。
実際、このあたりについては以下の記事で詳しく触れています:
まとめ:あなたは何を“更新”していますか?
スキルは学べば身につきます。でも、それだけではもう足りない。
大事なのは、「変化前提」で学び直し続ける力を持つこと。
そしてそのためには、「何をどう学ぶか?」を自分で設計できる思考習慣が必要です。
私たちはつい、「何をすべきか教えてほしい」と思ってしまいがちです。でも本当は、「何を考えればいいか」を自分で問えることが、最も価値あるスキルなのかもしれません。特にこれからのAI時代は。
この気づきが、どなたかのヒントになればうれしいです。AI時代に生き残っていける人材になっていきましょう!私も頑張り続けます。
株式会社セレンデック代表楠本
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