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「AIを使いこなす人の条件──言語化・認識力・発想力こそ、これからの“仕事力”になる」

こんにちは。AIに全部任せると脳が退化するんじゃないかと思いながらAIの便利さはもう手放せられない、一度知ってしまったら”楽”から抜け出せません、だって人間だもの・・(みつお)。株式会社セレンデック代表の楠本です。

最近、「AIがここまで進化したら、もう人間いらないんじゃないか?」という声を耳にすることが増えました。でも、そんな話を聞くたびに、僕はこう思うんです。

「いや、むしろ“人間らしさ”がこれからの時代、ますます大事になるんじゃないか?

今回は、AI時代に必要とされる“人間の力”──言語化、認識力、発想力について、僕自身の体験も交えながらお話ししてみたいと思います。


「AIがすごい時代」に、本当に必要なスキルって?

ChatGPT、画像生成、ノーコードの自動化ツール……

ここ数年で、僕たちの仕事環境は激変しました。実際、セレンデックでも業務改善や資料作成にAIを取り入れています。

でも、ここでよく誤解されるのが、

「AIはエンジニアやデジタルに強い人だけの武器でしょ?」

という見方。たしかに、AIの設計や構築には技術も要ります。でも、業務に活かすフェーズでは、むしろ“言語化”“目的の明確さ”の方が武器になるんです。

これは実体験ですが、社員から「この業務をAIで効率化したい」と相談を受けたとき、彼らの頭の中には「モヤっとした不満」しかない場合が多い。でも、そこに対して、

  • 現状のフローを整理し
  • どこに負担が集中しているのかを“言葉”にし
  • どうなったら理想なのか

これらを丁寧に言語化することで、AIに投げる「問いの質」がぐっと上がります。例えば、ある建設系クライアントでは、作業報告書の作成をAIで自動化したいという相談がありました。最初は「何がめんどくさいのか」さえうまく言えなかったのですが、具体的に「1日8件以上の報告書を手書きしている」「写真の整理も毎回バラバラ」など、課題を言語化していくことでAI導入の条件が明確になり、結果的に1日2時間以上の時短につながりました。


エンジニアリングだけじゃない。“言語化できる人”が有利な理由

僕自身、エンジニアではありません。でも、AIは毎日使っています。その理由はシンプルで、「問いを立てて、的確に伝える力」こそが、AI時代の武器だから。

AIは万能ではありません。むしろ“素直すぎる”存在です。

たとえば、「企画書をつくって」とだけ投げれば、それなりのアウトプットが返ってくるでしょう。でも、

  • 何のための企画か?
  • どんな相手に見せるのか?
  • 強調したいメッセージは?

これを細かく言語化し、文脈を伝えた時の方が、圧倒的に精度の高いアウトプットが得られます。例えば最近、「営業向けトークスクリプトを作って」と頼まれた案件では、相手の業種・顧客層・商品の特徴・競合との違いを具体的に言語化したことで、AIから返ってきたスクリプトはまるでプロのコピーライターが書いたかのような出来でした。このように、AIを最大限に活用するためには、提供する“材料”の精度が非常に重要になります。単に漠然とした指示を出すのではなく、具体的な情報や背景を伝えることで、AIはより的確で高品質な結果を生成するのです。


なぜ、認識力とゴール設定力が求められるのか

では、そもそも“問い”ってどうやって立てるんでしょう?

ここで重要なのが、現状認識力ゴール設定力です。

  • 現状認識力とは、「自分たちが今、どんな課題に直面しているのか」を俯瞰できる力。
  • ゴール設定力とは、「どうありたいか」を言語化できる力。

この2つがあって初めて、AIは“道筋”を示してくれます。逆に言えば、スタートとゴールが曖昧だと、AIは迷子になるんです。

例えるなら、カーナビみたいなもの。

  • 現在地(=現状)と、目的地(=ゴール)が分かれば
  • 道順(=やり方)はAIが提案してくれる

でも、スタートもゴールもボヤけてたら、ナビも案内できませんよね?(笑)

ある医療法人では、「業務が煩雑でAIを導入したい」と相談されました。

しかし、業務をヒアリングすると、「日報管理の属人化」「予約台帳の転記ミス」など、AI導入以前に“仕組み化”が必要な部分が多かったのです。

つまり、クライアント側には“ゴールの設計図”がない状態だったんですね。

AIはあくまで優秀な助手ですが、“設計図”を描くのは人間の役割です。この設計図がなければ、AIはその能力を十分に発揮することができません。

私たちはまず、現状を正確に把握し、目指すべきゴールを明確にすることで、AIを真に有効活用できるのです。


AIにはできない。“発想力”“想像力”が武器になる理由

AIは既存の知識の統合や整理は得意です。

でも、ゼロからの“飛躍”“感情”をともなう提案は苦手です。

たとえば、

  • 「こういう表現にしたら、相手に刺さるかも?」
  • 「このサービス、こんな使い方もできるかも?」

こうした発想や、ちょっとした“ひらめき”って、これまでの経験や、現場での肌感覚から生まれるんですよね。これはAIには真似できない、人間ならではの強みと言えます。

実際、セレンデックの現場でも、「そんなやり方アリ?」という発想が、結果として成果につながることが多いです。例えば最近も、ある介護事業者とのプロジェクトで、「スタッフ教育にAIを使いたい」という相談がありました。

普通ならマニュアルを読み上げるだけのAIボットにするところを、私たちはチーム全員で「新人が戸惑いそうなシチュエーションQ&A」を考案しました。これにユーモアや“あるある”を盛り込んだ結果、導入初月から離職率が半減するという驚くべき成果が出ました。

この事例からもわかるように、AIはあくまで“補助線”であって、“発案者”ではありません。だからこそ、「こうしてみたい」「こんな未来を描いてみたい」という人間の想像力が、これからますます価値を持つと思っています。AIの進化が加速する中で、人間はより創造的で、感情豊かな分野に注力していくことが求められるでしょう。


結局、AI時代に“使いこなせる人”とはどんな人か?

ここまでお話ししてきたことを、まとめると──

✅ AI時代に必要な「人間の力」

  • 言語化力:状況・目的を“言葉にする力”
  • 認識力:現状を俯瞰して捉える力
  • 発想力:経験や直感から“ひらめく力”

これらを持った人が、AIを“手足”のように使いこなせるようになります。AIは強力なツールですが、それを最大限に活かすには、使い手である人間の能力が不可欠です。AIに指示を出す「問いの質」を高めることで、AIから得られるアウトプットの質も向上し、結果として生産性や創造性が飛躍的に高まります。

逆に言えば、「AIがすごいから大丈夫」ではなく、「自分が何をしたいのかを言える力」がこれからの“仕事力”になるんです。AIの進化は、私たち人間に、より本質的な能力を問い直す機会を与えています。この変化を前向きに捉え、自身の「人間らしい力」を磨くことが、これからの時代を生き抜く鍵となるでしょう。

──この気づきが、どなたかの役に立てばうれしいです。


よくある質問(FAQ)

  • Q1. Androidでも同じことできますか?
    A. できます。Androidでもショートカットアプリやウィジェット機能を活用すれば、同様の設定が可能です。
  • Q2. 音声入力って正確ですか?
    A. 意外と精度高いです。特に静かな場所なら、誤認識は少ない印象です。
  • Q3. GPTやClaudeはアプリじゃないと使えない?
    A. ブラウザで開けるURLがあれば、ショートカットでも問題ありません。
  • Q4. 情報漏洩が心配です…
    A. 各AIの設定次第である程度の対策は可能ですし、あとはそのAIの会社をどこまで信じるか(笑)ですね。
  • Q5. 操作が難しそうです
    A. 初回は5分程度かかりますが、手順通りに進めれば簡単です。不安な場合も、それこそAIに聞いてみましょう! このようなリテラシーの差が、これから大きな生産性の格差に繋がっていくと思います。頑張って!

AIを実務で活用するための講座

「じゃあ、どうやってその力を身につけるのか?」

「現場で、AIをどんな風に使えばいいのか?」

そうした問いにお応えする形で、AIを実務で活用するための2つの講座を運営しています。

🎓 AIディレクター育成講座(個人向け)

「言語化」「問いの設計」「アウトプット改善力」を体系的に学べるオンライン講座。未経験からでも“使いこなせる人”になるための実践ノウハウを凝縮。

セレンデックではAIウェブディレクター育成講座を開催しています。ご興味ある方は是非ご参加ください。体験会、説明会も実施しています。
👉 AI Webディレクター養成講座はこちら

🏢 AIDX法人講座(企業研修向け)

中小企業の現場で成果を出すための、AI内製化&チーム導入支援プログラム。実際の業務課題を教材に、チーム単位でAI活用を浸透させていきます。

👉 AIDX法人講座はこちら

それでは、また次回の記事でお会いしましょう。



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