Apple Watchの健康データ、AIに読み取らせてみたら──意外な気づきと、始まりの話。
こんにちは。健康管理も仕事の内であれば、体調管理にこそAIを活用して効率化すべきやでと考える、AI健康解析士の株式会社セレンデック代表の楠本です。
今日はちょっとAIの活用方法に関して、ニッチな話をさせてください。
Apple Watchをお使いの方、多いと思います。私自身も3年以上、毎日着けっぱなしです。でも、正直に言うと、ほとんどの人がこうじゃないでしょうか。
はい、私もそうでした(笑)。「数字を見て安心するだけ」。
でもある日、ふと気づいたんです。「これ、AIに読み取らせたら何か分かるんじゃないか?」って。
データは貯まってる。でも、活かしきれてない。
Apple Watchをはじめとするウェアラブル端末って、本当にたくさんのデータを記録しています。
心拍数、歩数、睡眠時間、消費カロリー、さらには心拍変動や安静時心拍なんかも。でも──私たちはそれを活かしきれてない。
特にビジネスパーソンほど、「忙しい」を理由にデータを“見るだけ”で終わってしまいがちなんですよね。
ある日、睡眠が浅く感じる日が続いて。「これはちょっと深掘りしたいな」と思ったんです。
で、やってみました。Apple Watchのデータをエクスポートして、AIに読み取らせる──という実験を。
実際にやってみた:データエクスポート→AI解析
やり方は意外とカンタン。
- iPhoneの「ヘルスケア」アプリからすべてのデータをエクスポート(XML形式)
- または「ヘルスエクスポート(Health Export)」というiOSアプリを使えば、直接CSV形式やPDFに変換できて簡単です
- CSVをChatGPTに読み込ませ、「最近の傾向ある?」と聞いてみる
ちなみに、ヘルスエクスポートは数クリックでCSV形式やPDFとしてデータを整形してくれて、可視化機能もついています。
すると──
「木曜〜金曜にかけて睡眠時間が短く、心拍数も上昇傾向です」
と返ってきたんです。
……ああ、たしかに。その曜日、毎週打ち合わせが立て込んでて、食事も遅れていました。
主観だけじゃ、見えなかったこと
データって、意外と“主観”の補正に使えるんですよね。
「最近、疲れてる気がする」も、「よく眠れてると思う」も、あくまで体感。
でもAIに読ませると、
- 心拍変動がいつもより少ない
- 睡眠時間は十分だが、深い睡眠が短い
といった“見えない傾向”を拾ってくれる。
もちろん、診断や断定はできません。でも「気づき」は得られる。
それが大きかったんです。
健康×AI──はじめの一歩に最適かもしれない
AIって聞くと、「すごい人が使うもの」「専門知識が必要」みたいなイメージ、ありますよね。
それこそ「ビジネスの効率化」とか「業務の自動化」とか、あるいは「ちょっと賢い検索エンジン」くらいの認識が一般的かもしれません。
でも本当に大事なことは、データから規則性や法則、変化、傾向を把握して、活用すること。そのためには、ある程度の「量」と「質」を持ったデータが必要です。
そう考えると──やっぱり、もともと大量かつオリジナルなデータを持っている企業って強いんですよね。つまりこれからのAI時代は、「どれだけユニークで膨大なデータを自分たちで保持・蓄積できるか」が、企業にとっての競争力になっていく──そんな気がしています。
個人にとってのApple Watchも、実はその“自分だけのデータ資産”を日々生み出しているわけで。
だからこそ、うまく活かせば、自分自身のコンディションを理解するツールにもなり得ると思っています。でも、Apple Watchのデータを読み込ませるだけで、自分の状態を“翻訳”してくれるツールになるんです。
私がよく使っているのは:
- ChatGPT(CSVでデータ整理したうえで対話)
- Health Auto Export(自動でCSV出力)
- AppleDashboard(視覚的にトレンド分析)
- ヘルスエクスポート(CSV/PDF変換と可視化に便利)
など、ほとんど無料のもので十分実用的です。
大事なのは、「問い」を持つこと
たとえば、こんな問いを投げかけてみてください:
- 最近、休日と平日でどんな違いがある?
- ストレスの多い週は、何が変化する?
- 睡眠と心拍数、どんな相関ある?
答えは、データの中にあります。
そしてAIは、その答えを“言葉”にしてくれるんです。
本質的な話──AIは“予測”であって、“魔法”ではない
ここで少し本質的な話を。
結局、AIがどれだけ進化しても──「分析するデータの“質と量”」がすべてです。
そして、もう一つ大切なのがオリジナル性。
誰かの寄せ集めのような情報では、AIも「ありきたり」な返答しかできません。
それもそのはず。AIは統計的な予測をベースに動いているツールです。
だからこそ、「自分のリアルな記録」を持っているApple Watchのようなデバイスは、AI活用と相性が良い。
“自分自身のデータ”を、どう問いかけ、どう読み解くか。
そこに価値があるんですよね。
最後に──気づきは、小さな一歩から
正直に言うと、AIを使った健康分析は「ラクして何かが分かる」魔法ではありません。
でも、“主観”から“客観”への第一歩にはなる。
Apple Watchは、今日もあなたの体のことを記録しています。
あとは、それをどう“読む”か。
その翻訳者として、AIを一度使ってみてはいかがでしょうか?
「なんとなくしんどい」を、「ちゃんと分かる」に変える。
その小さな気づきが、暮らしの質をちょっとだけ変えてくれるかもしれません。
──この気づきが、どなたかの役に立てば嬉しいです。
よくある質問(FAQ)
- Q1. Androidでも同じことできますか?
A. できます。Androidでもショートカットアプリやウィジェット機能を活用すれば、同様の設定が可能です。 - Q2. 音声入力って正確ですか?
A. 意外と精度高いです。特に静かな場所なら、誤認識は少ない印象です。 - Q3. GPTやClaudeはアプリじゃないと使えない?
A. ブラウザで開けるURLがあれば、ショートカットでも問題ありません。 - Q4. 情報漏洩が心配です…
A. 各AIの設定次第である程度の対策は可能ですし、あとはそのAIの会社をどこまで信じるか(笑)ですね。 - Q5. 操作が難しそうです
A. 初回は5分程度かかりますが、手順通りに進めれば簡単です。不安な場合も、それこそAIに聞いてみましょう! このようなリテラシーの差が、これから大きな生産性の格差に繋がっていくと思います。頑張って!
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「歩数、心拍、睡眠時間……とりあえず見て終わり」