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「情報の劣化」が止まらない――SEO全盛期の終焉とAIO・ショート動画時代にこそ問われる「言葉にする意味」

“こたつ記事”量産が招く情報の質低下と、AI時代に生き残るための一次情報戦略

こんにちは。こたつで丸くなるより庭を駆け回りたい、だけど猫が好きな(犬も大好き)、株式会社セレンデック代表の楠本です。

最近、お客様や知人から「なんか似たような記事ばかりで、読む気がしなくなるんですよね」という話をよく聞きます。

正直、私もそう感じることが増えました。

「あれ、この文章、前にも見たことあるな…」

そんな既視感、ありませんか?
私もこの業界で長く記事を書いてきましたが、近年「これは…こたつ記事だ」と思うことが増えています。
こたつ記事――現場に一歩も足を踏み入れず、既存情報をなぞっただけの記事

かつては、それでもSEO(検索エンジン最適化)の技術さえあれば、アクセスを集められました。
でも、今は違います。

Googleの評価基準はEEAT(Experience:経験、Expertise:専門性、Authoritativeness:権威性、Trustworthiness:信頼性)へと進化し、さらにAIO(AI Optimization:AI最適化)という新しい考え方が重要になっています。
加えて、情報消費の舞台はショート動画やSNSに大きくシフトしています。

そんな中で、こたつ記事を量産することは、もはや「未来の信用を削る行為」に近いと私は感じています。

こたつ記事が招くSEOとAIOでの評価低下のリスク

こたつ記事の一番の問題は、情報の一次性がゼロであること。

見た目は整っていても、中身は他人の言葉の再構成に過ぎません。
そしてこの「薄い情報」は、現代のAI時代ではさらに危険になります。

なぜならAI、特にLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)は、既存のネット上の文章を大量に学習しているからです。
つまり、こたつ記事も学習データの一部になる。

するとAIが再びその情報を生成し、ネットに放出する。
またそれが学習され…という情報劣化ループが起きるのです。

結果として、「それっぽいけど間違っている」文章が増え続けます。
SEO的にも評価が下がり、AIO的にもAIに引用されなくなります。

SEO全盛期からAIO(AI最適化)時代への評価軸の変化

10年前、SEOの目的は明確でした。
検索結果の1ページ目に入ること。これが正義だったのです。

しかし今は、ChatGPTやPerplexity、Geminiといった生成AIアシスタントが情報ゲートになりつつあります。
ここで重要になるのがAIO――AIに引用・要約されるための最適化です。

項目SEOAIO
概要検索エンジンで上位表示を狙い、人間の検索行動から流入を得るAIアシスタントに正しく引用され、信頼できる情報源として認識される

AIOでは一次情報・専門性・オリジナリティが不可欠です。
AIは「出典の信頼性」と「内容の一貫性」を重視するため、薄い記事は排除されやすいのです。

ショート動画時代における文章コンテンツの最適化戦略

もう一つの大きな変化がショート動画の台頭です。
TikTok、Instagram Reels、YouTube Shorts…短尺映像で情報を摂取する層が急増しています。

この時代における文章メディアの役割は、「すべてを網羅する」ことではなく、次のようなポジションです。

  • 短時間で心を掴むストーリーの補完
  • 動画やSNS投稿の裏付けとなる一次情報
  • 深掘りしたい人が辿り着ける信頼できる情報ベース

つまり、「映像で見せたことを言葉で裏打ちする」。これができる文章は、SEOでもAIOでも、SNS運用でも長生きします。

現場の一次情報を活用することがSEO・AIO両面で有利な理由

私は現場で、多くの中小企業が「宝の山」を眠らせているのを見てきました。

  • 会議での重要な発言が記録されない
  • 顧客対応で出た深い知見が社内共有されない
  • 社員の気づきがSlackや口頭で流れて消える

これらは、AI時代の最良の燃料になり得るのに、文章化されていないのです。
結果として、こたつ記事的な外部情報に頼らざるを得なくなる。
一次情報が言語化されないのは、SEOでもAIOでも致命的です。

SLM(Small Language Model)によるブランドらしさの維持と誤情報対策

こうした課題に対して、セレンデックではSLM(Small Language Model)を活用しています。
これは特定の領域・企業専用に一次情報だけを学習させた“小型AIモデル”です。

詳しい内容は以下の記事で解説しています。

活用例:

  • 社内マニュアル・議事録・過去記事だけを学習
  • 代表や現場の語り口を保持した文章生成
  • 外部情報の混入を制御し、誤情報を防ぐ

LLMが万能に見えても、学習元を制御できないという欠点があります。
SLMなら、「らしさ」と「正確さ」を両立できます。

AI時代の情報設計に必要な一次情報×解釈×意志の組み合わせ

AIは構造化と補足が得意ですが、「問いを立てる」ことは苦手です。
だからこそ人間がやるべきは、次の3つです。

  • 一次情報を拾う(現場の記録・感情・出来事)
  • 自分の解釈を加える(なぜそうなったのか、どう感じたか)
  • 意志を込めて発信する(誰のために、何を変えたいのか)

これができれば、SEOでもAIOでも勝てる情報になります。

SEO・AIO時代に生き残る情報発信の始め方

会議メモやSlackの発言からネタを拾う

AIは「整理」と「補足」にだけ使う

自分の見た景色を、自分の言葉で書く

これだけでも、発信の質は劇的に変わります。
「何を書けばいいかわからない」は、たいてい「見えているのに言葉にしていない」だけです。

情報の熱と発信者の意見が持つ力

そして、SEOでもAIOでも、ショート動画でも、最後に勝つのは“誰がどう感じたか”が明確な言葉です。

みんなが本当に知りたいのは、無難な評論や「それっぽい話」ではありません。
聞きたいのは、発信者がどう考え、どんな判断をしたのかという、生の意見と視点です。
それが正解かどうかは二の次。むしろ、正解を探すよりも「この人はこう見て、こう動いた」というストーリーにこそ価値があります。

SEOは終わりだと言いながらも、しっかりとブログ更新を通じて情報を配信し続ける人間の記事でした。ここまでお読みいただきありがとうございます。(笑)

FAQ(よくある質問)

  • Q1. SLMは大企業でないと導入できませんか?
    A1. いいえ、中小企業でも導入可能です。必要なのは「自社固有の情報資産」です。会議メモや過去の提案書など、小さな蓄積でも十分スタートできます。
  • Q2. AIO対策ってSEOと何が違うのですか?
    A2. SEOは検索エンジンの上位表示を目的としますが、AIOはAIアシスタントに引用・要約されることを目的とします。引用されるためには、一次情報や専門性の高さが必要です。
  • Q3. こたつ記事は全部ダメですか?
    A3. 既存情報の整理も価値があります。ただし、自分の視点や体験を加えないと、SEOでもAIOでも評価されにくくなります。
  • Q4. ショート動画と文章、どちらを優先すべき?
    A4. 役割が違います。ショート動画は興味を引く入口、文章は深掘り情報や信頼性の担保として機能します。両方の連携が理想です。
  • Q5. 一次情報が少ない場合はどうすれば?
    A5. 小さな現場の出来事やお客様の声も一次情報です。無理に量を増やすより、日々の気づきを丁寧に記録することが大切です。

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セレンデックでは、一次情報の発掘・言語化・AI活用設計の無料相談を受付中です。
「何を書けばいいかわからない」「AIをどう使えばいいかわからない」方は、気軽に壁打ちしてみませんか。
一緒にAI時代を生き抜いていきましょう!



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