Google Analytics(グーグルアナリティクス)のアクセス解析を依頼されているお客様から、過去にいただいたご質問です。アクセス解析の担当者は知っておきたい豆知識をご紹介します。
セッション数、ページビュー数(PV数)、ユニークユーザー数(UU数)の違い
そもそも、セッション数、ページビュー数(PV数)、ユニークユーザー数(UU数)とはそれぞれどういう意味なのでしょうか。
セッション数
ユーザーがWebサイトを訪問した回数です。
つまり、ユーザーがWebサイトを訪問している間を「1」とカウントします。
30分以上操作を行わず、時間が経過して再度操作を行った場合は同じユーザーでも「2」とカウントします。
「何回アクセスされたか」が基準の指標です。
ページビュー数(PV数)
ページが閲覧された回数です。
1人のユーザーが同じページを10回閲覧した場合、「10」とカウントされます。
「特定のページに何回アクセスされたか」が基準の指標です。
ユニークユーザー数(UU数)
Webサイトを訪れたユーザーの数です。
1人のユーザーが1日に同じサイトを10回訪れた場合、「1」とカウントされます。
「誰がアクセスしたか」が基準の指標です。
Webサイトの特性上、様々な視点からユーザーやページを特定する必要があるので、アクセス数をカウントするにもこんなにたくさんの基準があるんですね。
詳しく見てみましょう。
Aというユーザーが1日にあるWebサイトに10回アクセスしたとします。
セッション数は、Aが1回アクセスするごとに30分以上操作を行わず経過した場、カウントは「10」になります。
ページビュー数(PV数)は、Aが10回アクセスしたとき閲覧したページの数だけカウントされます。極端な例ですが、100ページ閲覧した場合、カウントは「100」になります。
ユニークユーザー数(UU数)は、Aが1日に10回アクセスしてもカウントは「1」になります。
集計期間によりユニークユーザー数(UU数)が異なる??
それでは、表題の「集計期間によりユニークユーザー数(UU数)が異なる」とは、どういうことなのでしょうか?
以下は、アクセス解析レポートの一例です。日別で見てみましょう。
日付 | 5月1日 | 5月2日 | 5月3日 | ・・・ | 5月31日 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
ユニーク ユーザー数 | 9,090 | 9,780 | 9,790 | ・・・ | 9,000 | 182,800 |
次は、月別です。
月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|
ユニーク ユーザー数 | 164,000 | 161,700 | 182,500 | 172,900 |
日別のユニークユーザーと、月別のユニークユーザー数の数値が、変わってしまっています。月別のユニークユーザー数が若干少なくなっています。
これは、どういうことなのでしょうか。
集計期間によりユニークユーザー数が異なる理由
日別で集計した場合は1日単位で区切ってカウントされます。
なので、2日連続で訪れたユーザーがいた場合、それぞれの日でユニークユーザー数が「1」とカウントされます。同じユーザーにも関わらず、合計カウントは「2」となってしまうのです。
日付 | 5月1日 | 5月2日 | 5月3日 | ・・・ | 5月31日 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
来訪ユーザー | Aさん Bさん Cさん ・ ・ ・ | Aさん Bさん Dさん ・ ・ ・ | Bさん Cさん Dさん ・ ・ ・ | ・・・ | Bさん Dさん Gさん ・ ・ ・ | 182,800 |
日別合計 | 9,090 | 9,780 | 9,790 | ・・・ | 9,000 |
上記の表で、仮にBさんが毎日Webサイトを訪問すると、Bさんの訪問だけで、31日間でユニークユーザー数は31になります。
しかし、月別で集計した場合、BさんのWebサイトを訪問した回数は、ユニークユーザー数は1になります。
これにより、Bさんのカウントだけで、日別集計と月別集計の数値に30の誤差が発生します。
これが、「集計期間によりユニークユーザー数が異なる現象」の原因です。
Google Analyticsはもちろん、ビジネスの数字のカラクリを知っておきましょう
このようなカラクリは、Google Analyticsのヘルプや解説書には載っていません。
知っておくと、クライアントや上司から指摘や質問があったときに、きちんと説明ができます。
Google Analyticsは無料にも関わらず(正確には一定数のPV数があると費用が発生しますが、中小規模のサイトであれば実質無料です)非常に便利なツールですので、
ぜひとも使いこなし、クライアントへのサービス向上や業務改善、売上改善に役立てたいと思います。
Google Analyticsに限らず、このような数字のカラクリ、集計上の数値のずれの原因を把握していおくことは重要です。
日ごろからアンテナを張って情報収集していくこと、そして向上心をもって取り組くことが大切になります。